40代、50代、60代女性の一人暮らしの生活費はいくらかかる？その先の老後資金は？

国税庁による2020年の民間給与実態統計調査を参照すると、40代、50代、60代それぞれの世代の女性が稼ぐ月額収入の平均は以下の通りでした。
※なお、年齢コーホート別のデータのため世帯人数は加味しておりません。
そのため、この数字には結婚している人も含まれているので、厳密には独身女性の平均年収とは異なってきます。
あくまでも目安の平均年収としてご確認ください。

・日本の40代女性の平均月収

調査結果によれば、日本の40代女性の場合は、40代前半で317万円、40代後半では321万円という平均月収の結果となっています。
この後の50代〜60代の平均月収を見ていくとわかりますが、平均収入は40代、50代、60代を比べると40代が最も平均月収が高い数値となっているため、女性にとって40代は稼ぎどきであることがわかります。

・日本の50代女性の平均月収

次に、日本の50代女性の場合、50代前半は319万円、50代後半では311万円という平均月収の結果となりました。
数値を見ると、40代よりも50代の方が、平均月収の額面が低下してきていることがわかります。
そのため、将来的な貯蓄や生活費を考えるならば40代のうちからしっかりと働いてお金を貯めておくことが重要であると言えるでしょう。

・日本の60代女性の平均月収

最後に、日本の60代女性の場合、60代になると一気に平均月収が減少し、60代前半で257万円、60代後半で208万円といった平均月収の結果となっています。
そのため、60代に差し掛かるとまとまったお金を稼ぐこと自体がなかなか難しくなってくる可能性があるため、40代〜50代までにしっかり働いて収入と貯蓄の基盤を作り、60代以降の老後の暮らしに備えておくことが重要であると言えるでしょう。

関連記事はこちら

• 老後資金の貯め方は？30～50代など年代に合わせた貯蓄方法をご紹介
• 老後資金はいくらが目安？必要な金額と足りない場合の貯金方法をご紹介

総務省統計局の2020年の家計調査年報（家計収支編）では、35歳〜59歳、60歳〜の一人暮らし女性が必要とする生活費の内訳は以下のような内容となっております。

▼35歳〜59歳の一人暮らし女性の生活費内訳

項目	平均支出金額
食費	34,366円
住居費	22,776円
水道・光熱費	12,557円
家具・家事用品	7,138円
被服費	9,754円
保険医療費	8,452円
交通・通信費	24,054円
教養娯楽費	18,925円
その他	37,724円
合計	175,745円

▼60歳～の一人暮らし女性の生活費内訳

項目	平均支出金額
食費	36,270円
住居費	13,478円
水道・光熱費	13,323円
家具・家事用品	6,481円
被服費	4,213円
保険医療費	9,019円
交通・通信費	12,500円
教養娯楽費	12,810円
その他	35,266円
合計	143,359円

一人暮らしの女性が１ヶ月に必要とする生活費は、35歳〜59歳で175,745円、60歳〜で143,359円という調査結果となっており、およそ14万円〜18万円程度は生活費として毎月消費することがわかりました。
もちろん、住居にかかる費用については家賃が発生しない実家暮らしの場合はもっと安く済むケースがあると考えられますが、貯蓄を行っていく際には上記の生活費の平均を頭に入れておき、支出を各項目で抑えながら貯金に回せる金額を工面していくと良いでしょう。
また、上記は年齢別の単身世帯・女性の平均値となっていますが、これは大きな医療費がかからないケースであると考えておいた方が良いです。
年齢を重ねて大きな病気にかかってしまった場合には医療費が大幅に増加する傾向があり、健康に留意することが生活費を抑える重要なポイントのひとつになっています。

関連記事はこちら

• 入院費用が払えない場合の対処方法は？入院費用の平均や自己負担を抑える方法とは

・住んでいる物件の見直し

先々まで継続的に生活費を節約したい場合には、住んでいる物件の見直しを行うのが良いでしょう。
家賃が安くなる、光熱費を節約できる、などの見通しがある別の物件があれば引っ越しを検討する方が、引越しの初期費用などを鑑みても将来的には安上がりになる可能性が高いです。
最寄り駅よりもエリアを隣接駅まで広げると同じ条件でも家賃が安い物件を見つけやすいので、条件の良い物件を不動産会社やサイトでチェックして家賃や光熱費を押さえる工夫をしていきましょう。

・食費の見直し

毎日かかる費用の代表格といえば食費です。
食費の見直しを行う場合には、外食を避けて安い食材を選んで自炊を行う、飲料を買うのをやめて水筒にする、食事宅配サービスを利用しないようにアプリをスマートフォンからアンインストールしておく、などの工夫を行うと良いでしょう。
１回に節約できるお金は微小だとしても、毎日、毎月、毎年ともなれば大きな差額となっていきます。
たとえ１日100円の食費節約でも、１年間継続すれば36,500円の節約となり、大きなインパクトになります。

・プライベートの付き合いの見直し

女性の出費の中で、意外と大きな比重を締めるのがプライベートの付き合いでの出費でしょう。
女性同士の付き合いでよくあるのが、友人同士で集まってのお食事会や飲み会だと思われます。
お酒を飲む会合は楽しい反面、出費もかさみます。そのため、付き合いの時間帯を夜の飲み会から昼のランチにシフトするだけでも、かなり大きな節約になります。
また、20代〜30代で比較的高い金額のランチや会食をしていた女性は、40代〜60代と歳を経た後にランクを下げるのが難しいケースも多く見られます。
友人達の前では見栄を張りたい、周りに貧乏だと思われたくない、といったさまざまな葛藤もあるかと思われますが、プライベートの出費で無理をして貯蓄ができない暮らしを続けるのは避けるべきです。

・健康に気をつけて、医療費をかけないようにする

40代〜60代になると三大疾病（心疾患・脳血管疾患・悪性新生物）など、大きな病気にかかる可能性が上がってきます。
また、子宮に関する病や甲状腺の機能低下などの女性特定疾病にもかかりやすくなる傾向があります。
このような病気にかかると治療のための医療費が膨大になるケースがあるため、普段から健康に気をつけて医療費を押さえる努力を続けることが非常に大切になります。
普段から健康に気をつけるために、定期検診などを積極的に受けることも重要です。
「30代まで大きな病気にかかることもなかったから、40代以降も大丈夫だろう」といった思い込みは危険ですので、日々自分の身体の健康状態をチェックして些細なことでも異常に気付けるようにしておきましょう。

関連記事はこちら

• 金欠を乗り切る方法とは？繰り返してしまう金欠の原因や対策を徹底解説

・老後の女性に必要な貯蓄

厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータを参照すると、独身女性の場合、厚生年金に加入している方であれば900万円程度、国民年金に加入している方のケースだと2,270万円程度は貯蓄が必要であるとされています。
40代から女性がこの金額を貯めようと思うと、厚生年金の場合、毎月30,000円程度、国民年金の場合、毎月75,600円程度の貯金が必要となります。
こちらの貯蓄金額を確保しようとすると、50代、60代と年齢が進むにつれて毎月必要な金額は大きくなっていってしまうため、なるべく40代の早い段階で貯蓄計画を進めていくのが良いでしょう。

・実家に住む場合の貯金の金額（家賃不要）

実家暮らしをしている人の割合は、女性で７割以上とされています。
実家暮らしは家賃・水道光熱費・通信費などの固定費が個人にかからず、ひとり暮らしに比べて飲食代を節約することができ、家具や引っ越し代などの費用もかからないので貯蓄に最適であるといえます。
そのため、実家暮らしをしている女性が貯金を考える場合、手取りの４割〜半分程度は貯蓄に回すべきだと考えられます。
例えば、月収20万円（手取り15万円）の場合は、実家暮らしの女性であれば7.5万円程度を貯金に回すのが理想だと言えるでしょう。

・賃貸に住む場合の貯金の金額

賃貸のマンションやアパートに住む女性の場合、実家暮らしの女性に比べると、家賃・水道光熱費・引っ越し初期費用・家具や日用品の購入・飲食費など、さまざまな費用がかかるため貯蓄しにくいことが考えられます。
しかしながら、老後のためにも月額週の手取りから2割程度を目標に貯蓄をするべきだと言えるでしょう。
具体的には月収20万円（手取り15万円）の場合、3万円程度は毎月貯金に回せるようにするのが理想です。

・高齢者施設を利用する場合の金額

将来的に老人ホームなどの高齢者施設の利用を考えている女性の場合は、その費用も鑑みて貯金を行っていく必要があります。
例えば、公的な高齢者介護施設に入居する場合にかかる平均的な費用は入居一時金０円、月額利用料7.5万円〜14万円程度とされています。
一方、民間事業者が運営する高齢者介護施設に入居したい場合にかかる平均的な費用は入居一時金が数十万円〜数百万円、月額利用料12万円〜30万円程度とされており、高額な費用を支払うことができるだけの準備が必要になります。
東京都の場合、介護の必要な方が入るタイプは入居金が1000万円前後、月額費用は25万円前後が平均金額です。
貯蓄の具体的な金額については様々な要素が影響するため一概には言えないものの、高齢者介護士施設の利用料を大まかに想定した1300万円程度の貯蓄にプラス300万円〜くらいあると、ゆとりある老後生活を送るにおいて安心だと言えるでしょう。

関連記事はこちら

• 老人ホームや介護施設の費用はいくら？費用相場や負担を抑える方法とは