ブライダルローンの借り方とは？ブライダルローンの金利や審査基準などの観点でメリット・デメリットを解説

ブライダルローンとは、結婚式や披露宴などの費用、結婚指輪・婚約指輪の購入費用、新婚旅行費用など、結婚にかかるお金を借りられるローンのことです。お金の使い道を結婚資金に限定していることで、使い道が限定されていないフリーローンやカードローンに比べて、金利が低めに設定されています。なお、結婚資金に特化したブライダルローンを取り扱う金融機関は限られており、多目的ローンやフリーローン、カードローンをブライダルローンのように利用するケースも多いです。

結婚情報サイト・ゼクシィが実施した「結婚トレンド調査2024」によると、結納・婚約から新婚旅行までにかかった費用の全国平均額は454.3万円となっています。

・結婚前後に必要な支出の内訳

同調査によると、結納・婚約から新婚旅行まで、結婚にかかる費用の内訳は以下の通りです。

【項目別平均額（2024年調査全国平均額・推計値）】

費用項目	平均金額
結納式費用	43.9万円
両家 顔合わせ費用	8.3万円
婚約指輪	39.0万円
結婚指輪 （二人分）	29.7万円
挙式、披露宴、 ウエディングパーティ総額	343.9万円
新婚旅行	61.6万円
新婚旅行土産	8.1万円

※各費用で実際に費用が発生した人の平均額であり、合計は結納・婚約から新婚旅行までにかかった費用の総額とは一致しない。

大部分は挙式・披露宴の費用ですが、指輪代や新婚旅行費用だけでも平均して100万円程度の費用がかかります。結納式まで行う場合はさらに費用が膨らみます。

・結婚費用のための夫婦の貯金額

同調査によると、結婚費用のための貯金をしていた人の貯金額の平均額は339.7万円です。
平均額ベースでみると、結納・婚約から新婚旅行までにかかった費用と貯金額の間には、約115万円の差があります。披露宴やウエディングパーティの費用はご祝儀や会費で補うこともできますが、前払いが必要な式場では、一旦ご自身でお金を工面しなければなりません。貯金やご両親からの援助だけではお金が足りないときには、ブライダルローンの利用も選択肢になります。

ブライダルローンを選ぶ際には、借入可能額や金利、資金の使い道、融資までのスピードを比較して、希望に見合う商品の中から条件の良いものを選びましょう。

・借入可能額

借りたい金額を借りられるかどうか、借入可能額は重要なポイントです。ブライダルローンの借入限度額は金融機関によって異なり、上限は300万円〜500万円程度に設定されています。
多目的ローンやフリーローンの借入限度額は、ブライダルローンより高い傾向があり、上限が800万円〜1,000万円程度の商品も多いです。なお、実際に借りられる金額は審査によって決まります。1社で希望額を借りられない場合は、複数社のブライダルローンを利用したり、多目的ローンやフリーローンを利用・併用したりすることも検討しましょう。

・金利

金利が低いほど利息を抑えられるため、他の条件が同じならなるべく金利の低いものを選んだほうが有利です。
なお、審査で金利が決まる商品では、審査が終わるまで実際に適用される金利がわかりません。金利を比較する際は、希望する借入額に適用される上限の金利で比較するのが良いでしょう。
ご祝儀を受け取れるまで、数日から数週間程度の借入れを行い、一括返済する予定の場合は、無利息期間のある消費者金融のカードローンも選択肢になります。
例えばベルーナノーティスの場合、お借入れの翌日から14日間の無利息期間があり、その間に完済すれば利息は発生しません。カードローンの金利はブライダルローンに比べて高い傾向がありますが、無利息期間内に完済できるのであれば金利を気にする必要はありません。

・資金の使い道

資金の使い道は、結婚資金に限定されますが、利用する商品によって、結婚資金の範囲は異なります。挙式・披露宴の費用以外にもローンを使いたい場合には、借りたい費用が融資対象になっていることを確認してから商品を選びましょう。新婚旅行費用や指輪購入費、ブライダルエステの費用、新生活資金、結納金など、挙式・披露宴の費用以外は対象外になる可能性があります。また、対象に含まれている資金でも、すでに支払ってしまった資金は対象外になることや、申込みに期限があるため注意が必要です。
借りたい費用が融資対象に含まれていない場合や、結婚資金以外の費用も含めた借入れが必要な場合は、使い道が限定されていないフリーローンやカードローンなどが選択肢になります。

・融資スピード

支払いまでに時間がない場合は、融資までのスピードも重要なポイントです。申込みから融資までにかかる日数は通常1〜3週間程度で、利用する金融機関（商品）によっても異なります。
すぐに支払いが必要な場合には、最短でその日のうちに融資が受けられる消費者金融のカードローンも選択肢になるでしょう。

カードローンは、資金の使い道が限定されていない点、借入限度額の範囲内なら何度でも繰り返し借入れができる点、融資までのスピードが早い点などがブライダルローンとの違いです。金利はブライダルローンの方が低い傾向があります。

・ブライダルローンが向いている方の特徴

結婚資金の借入れが目的で、借りたい金額が確定している方にはブライダルローンが向いています。ブライダルローンは資金の使い道を結婚資金に限定することで、カードローンよりも金利が低めに設定されており、利息負担を抑えられます。

・カードローンが向いている方の特徴

結婚資金以外の借入れもしたい方、資金不足をその都度借入れで補いたい方、すぐにお金が必要な方にはカードローンが向いています。
結婚前後は、新生活を始めるための家具・家電の購入費用や引っ越し費用など、結婚資金のほかにもなにかとお金がかかる時期です。カードローンなら、資金の使い道が自由で、借入限度額の範囲内で何度でも繰り返し借入れができるため、このような資金が不足したときにも柔軟に対応できます。

関連記事はこちら

• カードローンとは？初めての方必見！カードローンの仕組みや特徴
• キャッシングやカードローンは借金なのか？無理なく返済するコツについて

ブライダルローンの審査では、信用情報や属性をもとに、利用者がちゃんと返済できるのかを金融機関が判断します。見積書や請求書などで、結婚資金に使われる資金であることの確認も行われます。

・ローンやクレジットカードの信用情報

ブライダルローンを申込むと、金融機関は他社での借入れの有無や金額、ローンやクレジットカードの返済・支払いに延滞がないかなどを、個人信用情報機関に照会してチェックします。延滞や債務整理などの異動情報があると返済能力を疑われ、融資を受けられない可能性が高くなります。

・居住環境や勤務先などの属性情報

利用者に安定して返済ができる収入があるかを判断するため、金融機関は年収や勤務形態、勤務先、勤続年数、年齢などの属性をチェックします。
一般的に年収に対して借入希望額が大きい場合など、審査の結果、融資額が希望額より少なくなったり、融資を断られたりする場合もあります。

・資金の使い道と金額

ブライダルローンの審査では、資金の使い道と金額もチェックされます。
資金の使い道や金額を確認できない場合、融資を断られたり、使い道自由のフリーローンに切り替えての融資になることがあるので注意しましょう。

・比較的に低金利で利用できる

ブライダルローンは使い道が結婚資金に限定されているため、使い道が自由なフリーローンやカードローンよりも上限金利が低めに設定されています。
フリーローンの金利相場は実質年率1.8％〜18.0％程度と幅が大きく、希望する借入額や審査結果次第で10.0％を超える金利が適用されることも少なくありません。一方、ブライダルローン（多目的ローンを含む）の金利相場は実質年率3.0％〜10.0％程度です。商品ごとに差はありますが、ほとんどの商品はあらかじめ適用される金利が決まっており、申込時点で適用される金利がわかる点もメリットです。

・結婚資金専用なので無駄な支出を抑えられやすい

ブライダルローンは結婚資金として実際に必要な金額しか借りられないため、借り過ぎる心配が少ない商品といえます。
それに対し、カードローンは使い道が自由で、設定される借入限度額の範囲内であれば借入れを増やすことも可能です。そのため、借入限度額に余裕があると、つい借り過ぎてしまう恐れがあります。
ブライダルローンなら、結婚式の費用を計画的に準備し、結婚という特別なイベントに集中できるでしょう。

・審査に時間がかかる

ブライダルローンを申込んでから融資を受けられるまでには、通常1〜3週間程度の時間がかかります。今日、明日にお金を借りられるわけではないため、時間に余裕を持って利用することが大切です。すぐにお金が必要な場合には、最短即日融資も可能な消費者金融のカードローンも選択肢になるでしょう。

・使い道が結婚関連資金に限定される

ブライダルローンなので当然ですが、使い道は結婚関連資金に限定され、使い道と金額を証明する書類の提出を求められます。
結婚関連資金以外の借入れも希望する場合には、フリーローンやカードローンの利用、ブライダルローンとの併用も選択肢になるでしょう。

ブライダルローンを利用するには、まず審査に通らなければなりません。審査はWEBまたは来店で申込みます。金融機関によっては仮審査と本審査があり、仮審査では必要項目の入力による簡易的な審査、本審査では必要書類を提出しての最終的な審査が行われます。本審査に通れば正式にローン契約を締結し、融資が実行されます。融資は金融機関から式場などに直接振込む形式と、契約者の口座に振込まれる形式があります。

・ブライダルローンの申込みに必要な書類

ブライダルローンの申込みには、次のような書類が必要です。

• ● 本人確認書類（運転免許証、パスポートなど）

• ● 所得証明書類（源泉徴収票、課税証明書（所得証明書）、住民税決定通知書、確定申告書など）

• ● 資金使途確認書類（見積書、請求書、予約確認書など、資金の使い道と金額を確認できる書類）

申込みに必要な書類は金融機関による違いもあるため、あらかじめ申込む金融機関のWEBサイトなどで確認しておきましょう。審査途中に追加で書類の提出を求められることや、融資実行後に領収書や振込控えなどの提出を求められることもあります。

ブライダルローンは受け取ったご祝儀などで一括返済してしまうのが理想です。とはいえ、結婚後は新生活準備などでなにかと出費がかさみ、家計に余裕がないケースもあるでしょう。そのようなケースでは、家計に余裕ができるまで分割で返済し、余裕ができてきたら返済額を上乗せして早期完済を目指しましょう。

借入期間は短く設定するほど利息を抑えられますが、毎月の返済額は多くなります。家計に余裕がない場合には、なるべく返済期間を長めに設定して毎月の返済額を抑え、余裕ができてから多めのご返済で早期完済を目指すのがおすすめです。

完済まで毎月一定額ずつ返済していきたい場合は、ご返済期間を短めに設定してトータルの利息を抑えるのが良いでしょう。